FXで大儲けして仕事を辞めた坂本君の話


jieitai
私の自衛隊時代、同じ部屋に坂本君という同期隊員がいました。

私は当時、株にハマっており、休み時間はマネー雑誌(日経マネーとか)を読み耽っていました。

底辺自衛官の間では漫画とエ◯本以外の本を読んでいると、頭の良い奴と敬遠されるのですが、坂本君と私は仲良しだったので、彼も私の買ってきたマネー誌をよく読んでいました。
私は彼に株を勧めたのですが、彼が目につけたのはマネー誌の広告にあったFX(外国為替証拠金取引)でした。
今でこそFXはやっている人も多く、そうじゃない人も言葉ぐらいは知っていますが、当時(2003年)はまだその存在を知っている人はほとんどいませんでした。

私もよく知らなかったので調べてみましたが、FXは先物取引と同じでハイリスク・ハイリターンの取引であることを理解しました。
坂本君には、それってヤバイんじゃないのと、一応反対しました。

しかし、坂本君はイケイケで、すぐに口座を開設して取引を始めてしまいました。

今はネットで取引できますが、当時はまだ電話で注文するスタイルでした。

FXを初めて以来、毎日激しく電話で注文している坂本君。
当初は調子も良かったみたいでかなり儲かっていました。
ことあるごとに彼は私にしょっちゅうFXの素晴らしさを語っていました。

当初は反対してたものの、彼の話を聞いているうちに、私もその気になって、FXを始めました。

それからは互いに影響を与え合って、坂本君のFX熱はさらにエスカレートしました。
消灯時間を過ぎても、彼はいつまでも起きていて、深夜になっても注文の電話が止むことはありませんでした。

しかし、そんな熱い日々はあっけなく終わりました。

急激に円高が進んで、ポンドを買っていた坂本君とオーストラリアドルを買っていた私は多額の含み損を抱えました。
しかも、さらに円高が進んで、追証ラインまで近づいてきました。
その時は二人共、仕事中での仕事にならなくて、ケータイでずっと値動きを見ていました。

「頼む、戻ってくれ!」

二人で祈り続けましたが、その甲斐もなくデッドラインを超えてしまいました。

坂本君は200万円ほど、私は60万円ぐらいの損を出しました。
自衛官としての給料が手取りで13万円ぐらいだったので、人生終わった感がありました。

互いに数日間は仕事もやる気がなく、溜息ばかり。課業後もベッドに横たわって無言でした…。

坂本君の逆襲

私はそれに懲りて一旦FXをやめました(2年後再開する)。

しかし、坂本君はまだ貯金が残っていたので再スタートしました。
(坂本君は自衛隊に入る前から貯金が結構あったみたいです)

よくやるよなー、と私は半ば呆れていましたが、これから彼の快進撃が始まります。

100万円ぐらいで再開したのですが、3ヶ月ぐらいで負けた分を取り返しました。

その後も勝ち続け、半年後には1000万円を超えたと言っていました。

何でそんなに勝てるようになったのか、何度も尋ねたのですが、特に特殊は方法でやっているわけではなく、ほとんど勘でやっているようでした。
ただし、以前より損切りは早かったです。逃げるタイミングを読むのが抜群に上手かったですね。

私は彼より1年先に退職しました。
私が辞めた後も、彼とは仲が良かったのでよく電話で話していました。
相変わらず勝ち続け、一回の勝負で1千万勝つこともあったそうです。

結局、FXを再開してから2年ぐらいで1億以上を稼いで、彼は仕事を辞めました。
彼はFX狂いでしたが仕事はデキる男だったので、上官に引き止められたそうです。
しかし彼は自分が親ほど歳の離れた上官に「僕は◯◯さんより遥かに稼いでいるんですよ~」とバッサリ切ってしまいました(←それは駄目でしょう)。

自衛隊を辞めた後、彼は田舎の実家に戻ってニート生活を始めました。
最終的には5億までいったそうな。

そこまで行くとどんな感覚なのか凡人の私にはわかりかねますが、彼は結局FXに飽きてしまって、あまりトレードをしなくなりました。

あまりに暇だからと、金銭的にはもう働かなくてもいいのに、安い時給でバイトしていました。
今は工場で働いています。

10数年ぐらい前に比べてたらFXの手数料は激安になっている

私や坂本君がFXを始めた頃、FXの売買にかかる費用はかなり高額でした。

例えばオーストラリアドルを10万通貨を買ってその後売るとすると、大体2万円ぐらいの費用がかかっていました。
スプレッド(売値と買値の差額)が10銭~15銭、手数料が8000円ぐらいでした。

それがFX業者の乱立による競争で年々下がり、現在だと同じ条件で費用は700円から1000円ぐらいしかかかりません。
スプレッドが0.7~1銭、手数料は0円だから、本当に良い時代になったと思います。

逆に、あの手数料がバカ高い時代に一財産作った坂本君はスゴイと思います。

FXで生活できるか?

FXだけでなく、株でも先物でも、勝ち続けることが出来る人は1割程度だと言われています。
それを考えると、一般的にFXで生活することは難しいと言えます。

しかし、坂本君のような例を見てしまうと、簡単にできそうな気になってしまいます。
細かくチャートを分析したり、確率的に勝てそうな戦略を練りに練ったり、そういう手間のかかる作業を一切せずに大儲けしたわけですから、一種の天才と言えるかもしれません。

しかし、こういう才能を眠らせている人は実は案外結構いるんじゃないかと思います。
彼だって、FXに出会わなかったら今も自衛官として普通に働いていたかもしれません。

今日本で、普通に会社員とかフリーターとかで働いている人は5千万人ぐらいます。
FXの才能を持つ人は稀といっても、数でいったら数万人ぐらいはいそうな気がします。

坂本くんの偉かったところは、FXの存在を知った時、すぐにFXを始めたことだと思います。
私はあの時、リスクが高そうだからと反対しましたが、そこからして凡人と天才の違いがあったのかなあと思います。


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